映画『ひまわり』ソフィアローレンの演技に引き込まれました。
『ひまわり』を何度も観ましたが、
何度みてもラストはソフィア・ローレンの気持ちになって泣けてしまいます。
主題歌とひまわり畑が一対のように頭の中にずっと残りました。
映画『ひまわり』のあらすじと感想をお伝えします。
映画ひまわりのラストシーンの感想
映画「ひまわり」IMDb公式より
【感想】
感想を書きながら思わず涙がこぼれそうになります。
はじめて『ひまわり』を観たときは、ジョバンナの気持ちになり、
事情はあれど、生きていたのに帰って来なかったアントニオが許せなかったのを思い出しました。
今回また『ひまわり』を観て、
アントニオはイタリアに残してきたジョバンナを本当はずっと愛していたんだなと思いました。
だんだん記憶が戻ったアントニオにはロシアに妻が居て可愛い子供もいる。
今の妻のことを大切に思っている。
ジョバンナとやり直せないことは分っていたはず。
それでもジョバンナに会って話だけでも聞いてほしい、会いたい。
その思いだけでイタリアまでやって来ました。
金銭的にも苦しかったことでしょう。
ずっと、結婚の記念にアントニオからもらったイヤリングを大切に持っていたジョアンナ。
そして、ロシアの妻マーシャもすごい女性だったんだなと感心させられます。
あんな、大男を息を確かめながら引きずって家まで連れてきたのですから。
あの細い身体のどこにそんな力があったのでしょう？
マーシャが助けなかったらアントニオは生きていなかったでしょう。
アントニオが感謝し、好きになるのは当然だったのです。
そして、マーシャはイタリアの元妻へ会いに行く夫を気丈に送り出してくれました。
「戦争は残酷だ」
ジョアンナに会いに来たアントニオが言いたかったことのすべてが
この言葉に凝縮されていました。
二人は別の人生を生きていくことになったのですね。
望まなくても、そうしなければいけない。
もう引き返せないのだから。
戦争へ行くときに、お土産に持ち帰ると約束した毛皮のマフラー。
その約束がこんな形で守られたのが悲しくなるラストシーンでした。
映画「ひまわり」IMDb公式より
あの時と同じミラノ駅からアントニオを見送るジョバンナは
まだアントニオを愛していたに違いありません。
でも二人は悟ったのです。
歳月がたってしまった。
自分の気持ちだけを貫くわけにはいかない。
今の二人には別の家族がある。
大人の二人が下した決断は悲しすぎました。
（感想、おわり）
※『ひまわり』と同じく悲しいラスト、忘れられない音楽の
映画『シェルブールの雨傘』の記事も書いています。
よろしければ、こちらからお読みください。
映画ひまわり あらすじとラストシーン
「戦争は残酷だ」
引き裂かれてしまった夫婦のその後が描かれています。
戦争に行く夫を見送った時と同じ駅。
ラストシーンは、別れるために見送りました。
観ていて、切ない気持ちになったときに流れる主題歌がずっと耳に残ります。
ラストシーンに聞くこの主題歌はせつな過ぎました。
映画ひまわり あらすじ ① 戦争が引き裂いた
映画「ひまわり」IMDb公式より
戦時中ではあるけど、アントニオとジョバンナが若くて明るい。
とにかく幸せで、一緒に居たい気持ちが伝わるはじまりでした。
【あらすじ①】
第二次世界大戦中のイタリア
アントニオとナポリの娘ジョバンナは恋に落ち結婚した。
アフリカ戦線に向かう予定のアントニオは
結婚休暇12日をジョバンナと過ごす。
このまま離れたくない。
精神疾患をよそおい、病院へ入るが仮病だとバレてしまった。
代わりに最も過酷なロシア戦線に送られることになった。
ミラノ駅で夫を見送るジョバンナに、
「すぐに帰ってくる、毛皮をお土産に持って帰るよ」と元気に旅立ったアントニオ。
でも、つらい別れだった。
映画「ひまわり」IMDb公式より
やがて戦争は終わり、来る日も来る日も夫の帰りを待つジョバンナ。
年老いたアントニオの母親と役所も訪ねた。
毎日、駅で夫の写真を持ち、降りて来るアントニオを探した。
ある日、ロシア戦線から戻った一人の兵士が写真のアントニオを見止めた。
1月のロシアは極寒で、3分立ち止まったら死ぬ、まさに地獄だった。
映画「ひまわり」IMDb公式より
二人は同じ隊にいてドン川まで一緒だったが、彼は雪の中もう歩けなくなり、
最後に自分に手を上げてさよならを言ったという。
それを聞いてもジョバンナはどうしても諦めきれなかった。
アントニオを探すため、一人でソ連へ向かった。
映画ひまわり あらすじ② 異国の地での真実
映画「ひまわり」IMDb公式より
強い気持ちで夫の生存を信じるジョバンナ。
極寒の雪の中歩けなくなった兵士の話は聞いていてとても辛かったな。
【あらすじ②】
ジョバンナはソ連、モスクワへ降り立つ。
社会国家ソ連での捜索活動は簡単なものではない。
役人を伴い、戦時中イタリア軍が雪の中次々と倒れたという地を訪れた。
そこは一面のひまわり畑。
地平線まで全てがひまわり畑だった。
このひまわりの下には敵も味方も多くの兵士が眠っている。
映画「ひまわり」IMDb公式より
たくさんの墓標も見て回った。
役人はもう諦めた方がいいと言うが
ジョバンナはどうしてもアントニオが死んだとは思えなかった。
イタリア語はほとんど通じない土地。
だが、ジョバンナは探し続けた。
郊外の村でアントニオの写真を見せると、
近所にイタリア人が住んでいるとロシア人の女性たちが教えてくれた。
映画「ひまわり」IMDb公式より
その家を訪ねたジョバンナは若い人妻が洗濯物を干しているのを見かけた。
アントニオの写真を見せると、
そのロシア人主婦、マーシャはジョバンナを家の中へ招き入れた。
娘のカチューシャが、こんにちは、とあいさつした。
ジョバンナも、こんにちは、と返した。
マーシャは雪の中に倒れていた兵士アントニオを見つけ、
大きな彼を必死で家へ引きずって帰り、看病したと話した。
目覚めたアントニオは記憶を失っており、その後二人は結婚し、娘が誕生した。
映画「ひまわり」IMDb公式より
午後6時15分
時計を見てマーシャはジョバンナを駅に誘った。
労働者たちが仕事を終え、列車から降りてきた。
ジョバンナを見たアントニオは驚き茫然と立ち尽くした。
驚き、悲しみ、後悔、いろいろな気持ちが絡み合った表情。
何秒見つめ合っただろう？
ジョバンナの表情は悲しみで歪みそうだった。
踵を返して動き出した列車に飛び乗ったジョバンナは
車内で人目もはばからず、顔をおおって泣き崩れた。
待ち続けた夫はロシアで生きていた。
結婚し、娘をもうけ、別の人生を歩んでいた。
ジョバンナが立っていた駅のホームにはアントニオの写真が落ちていた。
裏には自分が妻にあてたメッセージが書かれていた。
「ジョバンナへ愛をこめて」
映画「ひまわり」IMDb公式より
映画ひまわり あらすじ③ またの再会
生きていたけど違う生活を送っていた夫。
生きていたのに自分のところへ戻ってこなかった夫。
駅のホームでアントニオを見た時のジョバンナの気持ちを思うと私も苦しくなりました。
【あらすじ③】
イタリアへ戻ったジョバンナの生活は荒れた。
アントニオの写真を外して踏みつけた。
昼間からワインを飲み、男と付き合った。
ジョバンナを訪ねてきたアントニオの母親は
掛けてあった息子の写真がないのを見て悲しんだ。
「あなたの息子は生きています。
ロシアで結婚して、娘もいます。」
こんなことだったら、戦争で死んだ方がまだよかったと思うジョバンナ。
ロシアでは、
アントニオとマーシャの家族が都会へ引っ越した。
新天地への引っ越し。
マーシャもカチューチャも気持ちが弾んでいた。
しかし、アントニオはずっとふさいでおり、口を聞かない。
それを見たマーシャもどうしていいか途方にくれる。
ある日、アントニオとマーシャはイタリア行きの切符を探す。
二人分の切符はないと言われ、
「いいえ、行くのは夫一人です。
私はこの国で夫の帰りを待ちます。」
マーシャは気丈にアントニオを送り出してくれた。
映画ひまわり ラストシーン あらすじと結末 （ネタバレあり）
映画「ひまわり」IMDb公式より
イタリアに残してきた妻ジョバンナに会いに来たアントニオ。
自分の気持ちにけじめをつけに行くのでしょうか？
二人の気持ちがおさまる方法があるとは思えません。。。
【あらすじと結末】
ミラノ駅に到着し、近くの店から公衆電話をかけるアントニオ。
ジョバンナは引っ越していたが、田舎でこの番号を教えてもらったらしい。
「もう、会いたくないわ」
断るジョバンナに、もう一度電話をかけなおし、ジョバンナの住所を訪ねた。
雷で停電したジョバンナの家に到着したアントニオ。
「話だけだ、すぐ帰る」
ジョバンナは結婚の翌日、アントニオからプレゼントされたイヤリングをしていた。
「ボクは雪の中で自分は死んだと思った。
何一つ思い出せなかった。心から頼れるのはあの家だけだった。」
あの時、アントニオは一度死んだ、そして別人になった。
「私、老けたでしょ？
あなたも齢をとったわね、額のしわがこんなに。
髪の毛に白いものも、、。」
ジョバンナを抱きしめるアントニオは苦しそうだった。
ジョバンナも気丈に自分を保っていた。
「このまま二人でどこかへ行こう」
と耐え切れずアントニオは言う。
同じように苦しくて涙をこらえるジョアンナ。
その時、赤ん坊の泣き声でジョバンナはハッと我に返った。
隣の部屋のベッドで男の赤ちゃんがこちらを見つめていた。
ジョバンナもその後結婚して赤ん坊を生んだのだ。
アントニオは赤ちゃんを抱き上げるジョバンナに名前をたずねた。
名前はアントニオだった。
アントニオはモスクワで買った毛皮のマフラーを渡した。
「お土産だ、約束しただろう？」
映画「ひまわり」IMDb公式より
翌日のミラノ駅、アントニオが乗る列車を見送るジョバンナ。
戦争に行く時と同じ駅で見送った。
泣きながら、、、
しかし、今度は別れるために見送った。
（あらすじ、おわり）
映画ひまわり キャストの女優は誰？
映画ひまわりはソフィアローレンの代表作です！
【概要】
●ジャンル：ラヴストーリー
●監督：ヴィットリオ・デ・シーカ
●音楽：ヘンリー・マンシーニ
●主役：ソフィア・ローレン
マルチェロ・マストロヤンニ
※ヴィットリオ・デ・シーカ監督は、
1964年、『昨日・今日・明日』で
（ソフィア・ローレンと
マルチェロ・マストロヤンニ主演）
アカデミー外国語映画賞を受賞しています。
【キャスト：女優と俳優】
（マルチェロ・マストロヤン二）
●ジョバンナ（ソフィア・ローレン）
アントニオの妻
●マーシャ（リュドミラ・サベーリエワ
ロシアの妻
●アントニオの母（アンナ・カレーナ）
※主演の二人は『ひまわり』以外にも、多くの共演をしています。
『昨日・今日・明日』『ああ結婚』『特別な一日』『プレタポルテ』など。
ソフィア・ローレンは1960年『二人の女』でアカデミー主演女優賞を受賞しており、美貌だけではなく、演技の実力も認められています。
マルチェロ・マストロヤンニは、一見は二枚目ですが、3枚目も演じ分けられる魅力的な俳優です。
数々の受賞歴があり、アカデミー賞・主演男優賞には3回ノミネートされました。
●ソフィア・ローレン：ダヴィッド・ディ・ドナテッロ主演女優賞を受賞
●ヘンリー・マンシーニ：1971年アカデミー作曲賞にノミネートされた
映画ひまわり ロケ地はどこ？主題歌についても！
映画「ひまわり」IMDb公式より
広大なひまわり畑は映画『ひまわり』の象徴です。
そして、太陽に向かって咲くひまわりとは反対に切ない気持ちにさせられる主題歌が頭から離れません。
【ひまわり畑・ロケ地】
ひまわり畑のロケ地は、ソビエト連邦時代のウクライナの主都キエフから南にあるヘルソンです。冷戦時代にソ連でのロケ地が認められた貴重な映像です。
＜ひまわりの主題歌＞はヘンリー・マンシーニが担当し、世界中でヒットしました！
●『シャレード』
●『アラベスク』
●『地上最大の脱出作戦』
●『暗くなるまで待って』
●『ピンクパンサー』
など。
以上、
（ここまでお付き合い下さり
ありがとうございました。）
※『ひまわり』と同じく悲しいラスト、忘れられない音楽の
映画『シェルブールの雨傘』の記事も書いています。
よろしければ、こちらからお読みください。
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