こちらでは、映画「ザリガニの鳴くところ」のテイトについてまとめています。
テイトはなぜカイアとの約束の日に来なかったのか?
さらに、テイトは最後になぜネックレスを流したのか?
テイトの二つの行動が気になります…。
そこで、テイトの意外な行動について、筆者の見解をお伝えしますね。
この記事が、映画『ザリガニの鳴くところ」をより楽しんでいただくためのお役に立てれば嬉しいです。
映画「ザリガニの鳴くところ」テイトはなぜ来なかったのか?会いに来なかった理由を考察!
カイアは自然が好きなテイトと意気投合し、恋愛しましたが、テイトは大学に入り将来を考え始めました。
湿地に住むカイアとずっと一緒に居ては、自分の将来は閉ざされてしまう。
テイトは、カイアと距離を置くことにしたのだと考察します。
以下にテイトとの出会いと別れをまとめますね。
テイトとの出会い
家族が次々に去り、一人残された少女カイアは厳しい湿地で一人で生きていました。
18歳になったカイアは、自然に興味があるテイトと意気投合し、恋愛をしました。
しかし、彼は大学に入るため、会えなくなることに…。
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1962年(カイア18歳)
沼地の切株に誰かが鳥の羽を置いてくれます。
手紙も入っていました。
カイアも羽のお返しの羽を持って切株に行くと、成長したあのテイトがいました。
子供の時、モーターボートを操縦して湿地に出るときにすれ違うテイトは、カイアのたった一人の友達でした。
手紙の字が読めないと言うと、テイトは読み書きを教えてくれました。
来る日も来る日も二人はビーチ、原っぱや小屋で授業をしました。
小屋にはカイアが書いた湿地の鳥や昆虫、貝の絵がいっぱい貼ってありました。
カイアは、字が読めるようになると、家に置いてあった聖書の書き込みや日記の記録から両親が結婚した日や家族の記録を理解しました。
以前は自分にも家族が居たことを思い出しました。
そして、カイアはテイトに恋心を抱きます。
テイトはカイアの初恋では??
テイトとの距離が近づき、ガールフレンドになりました。
ある日、テイトはケーキに名前を入れてカイアの誕生日を祝ってくれました。
二人はビーチでデートを重ねます。
カイアはいつも鳥やカメの絵を書きました。
湿地に住む生き物の絵は珍しく、貴重です。
テイトもそんなカイアの絵を興味深く見ていました。
カイアとテイトは価値観が似ていました。
テイトは約束の日に来なかった…
その日、テイトは無口でした。
テイトは大学へ行くため、この街を離れると伝えました。
それでも、大学が休みに入ったらカイアに会いに来る約束をします。
別れの日、ソファで一緒に夜を過ごし、また会う約束をしてテイトを見送りました。
テイトが立ち去る前に。
テイトは、カイアが湿地の鳥や昆虫や貝を書いた絵を出版できるように出版社へ手紙を書き、契約を結んでくれていました。
「カイアが書いた湿地の珍しい生き物の記録を出版するといいよ」と言ってその手紙を置いていったのです。
後に、この手紙の宛先にカイアは書き溜めた湿地の生き物の絵を送り、本を出版することができました。
テイトを待ちながら、その後もカイアは島の絵や葉っぱの絵を書いて過ごしました。
7月4日、テイトとの約束の日
カイアは、一番のお気に入りドレスを着て、口紅を付けておしゃれをしました。
日が暮れて、花火があがっても彼は来ない。
翌朝までビーチで待ちましたが、、、。
大学に入り自分の将来を考えたテイトにとって、カイアとの交際は適切ではない。
自分の将来を真剣に考えた時、湿地に暮らすカイアとは距離を置くことを選んだようです。
映画「ザリガニの鳴くところ」テイトが最後にネックレスを流した理由は?
テイトがネックレスを流した理由は、カイアが犯人だと誰にも知られたくなかったからです。
この映画で一番気になるのは、誰が犯人だったか?ということでしょう。
カイアの死後、テイトはカイアの持ち物の中からネックレスを発見しました。
チェイスを殺した犯人が持ち去ったネックレスをカイアが持っていた!
テイトは、チェイスを殺した犯人はカイアだったのだと想像したのです。
しかし、テイトはネックレスを海に流すことで、カイアが犯人だということは、自分の胸の中に収めることにしました。
カイアの死後にテイトが発見したもの
1)貝のネックレスを身につけたチェイスの似顔絵
2)「自分の身を守るために排除しなければならない」というメモ書き
3)チェイスが死ぬ直前まで身に着けていた貝のネックレス
殺人現場にいないと(=犯人の可能性あり)手に入らなかったネックレスをカイアが持っていた!!
テイトは最後にネックレスを海に流した
テイトはカイアがチェイスを殺したと確信しました。
最後にテイトは証拠の貝のネックレスを海の波にさらってもらいました。
カイアの秘密を自然に返し、カイアの犯行を自分の胸にしまいました。
テイトの最後の行動の意味
テイトはカイアが犯人(真犯人)だったのだと思い、証拠のペンダントを消し去りました。
本当にカイアが犯人(真犯人)だったかどうかは映画を観た人ににゆだねられて終わりました。
しかし、カイアの持ち物にはチェイスが身に付けていて、犯人が持ち去ったネックレスが保管されていたのです。
カイアの信条は、「自分の身は自分で守る」。
自然界のおきての中では殺さなければ自分が殺される!
カイアは自然界の摂理に従い、正直に生きたのです。
最後の映像を見て、私は、カイアが犯人だったのだと思いました。
ああ、生き残るためにカイアがチェイスを抹殺したんだなあと私は想像しました。
小説からもラストを考察
小説によると。
自然の中で暮らすカイアが動植物の生態から自分の人生を考えていたことが詳しく書かれていました。
「カマキリのメスは、交尾中にオスを食べて生き延びました。
オスは子孫を残すためのみに必要だったのです。
同じく、ホタルのメスは偽の合図を送り、別種類のオスのホタルをおびき寄せて食べました。
カイアは、自然界では恋愛とは生易しいものではないことを悟ります。」
『自分の身は自分で守ること』
そんな感覚を身につけないと湿地で一人で生きていけないのです。
小説のチェイスは映画よりもっと陰湿にカイアに付きまとっています。
「自分が殴って終わりにしないと気が済まない男たち。
いつまた次の拳が飛んでくるのか気にしながら生きていきたくはない!」
という文章があります。
ここには、父の暴力に耐えかねて幼いカイアを置いて出て行った母の姿が重なるのでしょう。
チェイスに暴力を振るわれて初めて母の気持ちが分かった場面でもあります。
カイアは自然界の生き物と同じようにチェイスから自分の身を守ったのです。
映画「ザリガニの鳴くところ」の感想
美しい風景画をみているような映画でした。
湿地と共に生きたカイア自身が土地の一部になったように感じられるラストでした。
映画は、1953年からの少女カイアの半生と1969年の殺人事件が交互に語られていきます。
チェイスは転落死ではないのか?犯人はカイアなのか?
なにより、湿地に一人で暮らすことになった少女が人生を切り開いていく様子に衝撃を受けました。
村の人たちからは湿地は差別と偏見の目で見られる場所でしたが、カイアは湿地に住む生き物、景色に守られ、包み込まれて生きてきました。
湿地は、カイアの母親のような場所だっただろうと思うのです。
裁判を乗り越え、自分が愛するに値する人はテイト一人だということに気が付き、人生を終えるまで仲良く幸せに湿地で暮らしました。
テイトと暮らし、人生を全うしたカイアは幸せだったに違いありません。
テイトとカイアは価値観が似ていましたよね。
何より湿地や自然を愛する気持ちが同じでしたから。
以上です。
この記事が、映画『ザリガニの鳴くところ』をさらに深く知るための参考になれば嬉しいです。
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