イギリスのコンウォールに住むティム青年は両親・叔父・妹の5人家族。毎日家族で海辺を散歩し、週末は野外映画を楽しむ。風変りだけど、素敵な家族。
そのティムが持つタイムトラベルの能力は人生を豊かに切り開いてくれる?
私の人生にも大事にしたいことを教わった映画です。
『アバウトタイム~愛おしい時間について~』のあらすじと感想をお届けします。
アバウト・タイム愛おしい時間について~イギリス舞台の映画 (概要・キャスト・監督)
【概要】
●制作と公開:2013年のアメリカ・イギリス合作映画
●ジャンル:ヒューマンドラマ・ラブストーリー
●脚本:リチャード・カーティス
●監督:リチャード・カーティス
●主題歌:「The Luckiest」ベン・フォールズ
「Into My Arms 」ニック・ケイブ
●主人公:ドーナル・グリーソン
レイチェル・マクアダムス
●舞台:主人公の家族が住むイギリスの南西部コンウォール州。
イングランドは9地方に分かれており、その南西部に位置します。
美しい海や絶景、自然の魅力にあふれています。
※監督のリチャード・カーティスは、1999年「ノッティンヒルの恋人」の脚本家でもあります。
また、20003年「ラヴ・アクチュアリー」を監督しました。
「ラヴ・アクチュアリ」はクリスマスに必ずどこかで放送される、
黄金のラヴストーリー映画、私も大好きです!
【キャスト】
●ティム(ドーナル・グリーソン)主人公
●メアリー(レイチェル・マクアダムス)ティムの恋人のちに妻
●父:ジェームズ(ビル・ナイ)ティムの父
●母:メアリー(リンゼイ・ダンカン)ティムの母
●キットカット(リディア・ウィルソン)ティムの妹
●デズモンド叔父(リチャード・コ―デリー)母の弟・ティムの叔父さん
●ジェイ(ウィル・メリック)ティムの地元の友人
●ローリー(ジョシュア・マグガイア)ティムの会社の親友
●ハリー(トム・ホランダー)ティムの下宿の大家・脚本家
●ジョアンナ(ヴァネッサ・カービー)メアリーの親友
●ジミー(トム・ヒューズ)キット・カットのボーイフレンド
●シャーロット(マーゴット・ロビー)ティムの初恋
※主人公のティムを演じたドーナル・グリーソンは、2010年のハリーポッター、2015年と2017年にスターウォーズに出演しています。(カッコいいです)
※同じくメアリーを演じたレイチェル・マクアダムスは、2004年「君に読む物語」でヒロインを演じてブレイクしました。(涙・感動の物語です)
※父親を演じたビル・ナイは、「ラブアクチュアリー」で、落ちぶれたロック歌手の役で出演、この映画に欠かせない一人でしたネ。
【受賞】ムービープラスアワード
2014年映画スペシャリスト大賞のベストカップル賞1位に
本作のティムとメアリーが選ばれました。
アバウトタイム・愛おしい時間について~ あらすじ(ネタバレ)
タイムトラベルと聞くと、冒険もののイメージがありますが、
ちょっと違います。
家族の在り方、今日を生きること、
とてもドラマティックな内容です。
アバウトタイム・愛おしい時間について~あらすじ① イギリスコンウォールの家族
【あらすじ①】
イギリスの南西部・コンウォール
ロンドンからは列車で6時間かかる
美しい海や絶景が点在するエリア
(行ってみたいな~)
主人公のティムはひょろっとして、オレンジ色の髪をしている。
ティムの家は五人家族だ。
ママは優しくて自由な人、クイーンと同じファッションを好む。
パパは50歳で大学つとめを止め時間はたっぷりある、
きちんとした服装で毎日を過ごし、上手くない卓球を楽しんでいる。
ママの弟ディモン叔父さんはチャーミングで天然の人。
妹のキャサリンは自然で素敵な女の子、キットカットの愛称で呼ばれている。
ティムの家族は、毎日海へ出かけて砂浜を散歩し、
石投げをし、サンドウィッチを食べる。
金曜日は天気に関係なく、自宅の壁をスクリーンにして外で映画を観る。
ちょっと変わった、でも、とても仲の良い家族だ。
(自宅から海が近くて毎日散歩、そんな生活に憧れます)
大みそかのパーティー
ティムは恋愛に奥手で、この日も積極的になれなかった。
本人は、ちょっと情けなく思っている。
21歳の新年の朝、父から一族の男性の秘密を打ち明けられた。
『我が家の男性はタイム・トラベル出来る力を持っている。』
それは、自分の過去にだけ戻れるが、未来には行けない。
暗いところで両方のこぶしを握って、戻りたい場面を思い浮かべるだけ。
半信半疑でクローゼットで念じてみると、ティムは昨日のパーティーに居た。
昨日は積極的になれなかったが、今度は女の子にキスができた。
パワーは本物だった。
『自分の理想の人生を送るためにこのパワーを使いなさい。』と父は言った。
「このパワーを使って恋人を作るよ。」ティムは答えた。
この年の夏休みに妹の友人、シャーロットが2か月滞在した。
ティムはシャーロット滞在の最後の日に告白した。
シャーロットは、「どうして早く言ってくれなかったの?」と言って去っていった。
そこでティムはタイムトラベルを使い、
「大好きだ、この夏を一緒に過ごしたい」と伝えた。
シャーロットは、「最後の日にもう一度同じことを言ってね!」と返事をした。
(あれ?ティムはシャーロットとはご縁がなかったようです)
ティムは学んだ。
『タイムトラベルで愛は手に入らない。』
アバウトタイム・愛おしい時間について~あらすじ②メアリーとの出会い
【あらすじ②】
ティムはロンドンへ旅立ち、
父の友人で脚本家のハリーの家に下宿をした。
場所はアビーロードだ。
「妻は世界一まともだから自分を捨てた」
(あら、ハリーは、ちょっと気難しそうな人かな?)
ティムは法律事務所へ就職し、ローリーという親友が出来た。
ある夜、幼なじみのジェイに誘われ、暗闇のレストランに行き、
運命の女性に出会った。
ママと同じ名前のメアリー。
彼女はケイト・モスの大ファンだった。
レストランの外でメアリーの電話番号をもらい幸せな気持ちで下宿へ帰った。
ところが、ハリーは自分が書いた脚本の舞台の初日に
主役がセリフを忘れて大失敗だった、と
とても不機嫌だった。
そこで
ティムがタイムトラベルをして舞台の上演前に戻り、
俳優が忘れたセリフを大きく紙に書いて掲げたので舞台は大成功だった。
しかし、携帯電話からメアリーの電話番号が消えていた。
タイムトラベルしたことで、レストランでのメアリーとの出会いの事実はなかったことになってしまった。
ひどく落胆したティムだったが、
新聞でケイト・モスの写真展を知り、ここでメアリーに出会えるのではないかと思いつく。
(ナイス、アイディアです!)
何日も会場で待ち伏せしたメアリーにはすでに恋人がいた。
二人が出会ったパーティーの場所と日時を聞き出しタイムトラベルする。
彼氏より早くパーティーに行き、メアリーに声をかける。
ティムはメアリーから以前に聞いたケイト・モスの話を得意気にしたので
二人は話しが弾んだ。
メアリーを送って彼女の部屋へ。
初めての夜を何度もタイムトラベルで乗り切ったティムは
メアリーと最高の朝を迎えた。
二人の交際が始まった。
メアリーの下宿から毎朝出勤し、
地下鉄の駅のホームで別れる二人。
その地下鉄の駅を利用して、
買い物、クリスマス、様々な行事を楽しむ二人。
二人は同居を始め、幸せだった。
(地下鉄の駅は二人の幸せそうな様子を毎日見ていましたネ、)
ある日、アメリカからメアリーの両親がやってきた。
頭の固い父親にティムを認めてもらおうとメアリーは一生懸命に話したので、どっと疲れてしまった。
メアリーと行くはずだった国立劇場のシェイクスピアはローリーと観に行った。
びっくり、あの初恋のシャーロットを見かけて声をかける。
失礼な発言をしてしまい、タイムトラベルをしてやり直すが上手くいかなかった。
もう声をかけないで帰ろうとすると、シャーロットから声をかけてきた。
食事をしてシャーロットの家まで送るが、中へは入らなかった。
(ティムが部屋に入らなくてホッとしました)
「これから大事な用事があるんだ」
そう言ってメアリーと住む家に戻り、寝ているメアリーを起こしてプロポーズをした。
ティムとメアリーはコンウォールへ出かけ、家族に結婚の報告をした。
メアリーのお腹には赤ちゃんもいる。
家族はメアリーを気に入り、とても喜んでくれた。
アバウトタイム・愛おしい時間について~あらすじ③ コンウォールの結婚式
【あらすじ③】
結婚式はコーンウォールで挙げた。
大雨の日だった。
(衣装も食べ物もぐちゃぐちやなのに、全員がとても楽しそうでしたネ)
スピーチはローリーにお願いした。
ところが、彼のスピーチは離婚裁判の話しだった。
(縁起がわるいですね~)
そこでティムはタイムトラベルを何度も繰り返し、スピーチを
ハリー、ジェイミー、最後に父親に頼んだ。
ところが、突然のスピーチで内容に不満だった父は自分でタイムトラベルして
納得のスピーチをしてくれた。
三人の大切な男性に触れた。
自分の父、妻の弟のデズモンド、そして息子のティム。
ティムは優しい子だ、ティムの父親であることを誇りに思うと伝えた。
(好きな男性の中に、妻の弟を忘れなかったお父さんの配慮が良かったな)
デズモンド叔父さんがキットカットに、次はお前の結婚式だね、と言うと、
私は男運がないと答えた。
「雨の日に結婚式だったけど、がっかりしていないかい?」
とティムが聞くと、メアリーは答えた。
『いいえ、私たちの人生も同じよ、きっといろいろな天気があるわ。』
(メアリーは前向きな素敵な女性ですネ)
アバウトタイム・愛おしい時間について~あらすじと結末(ネタバレあり)
【あらすじと結末】
子供が生まれた!女の子、名前はポージー。
言い表せないほどの愛情と、責任と、不安も感じた。
『毎日が充実していてタイムトラベルの出番はなくなった。
幸せだったから。』
(充実していると、タイムトラベルのこと忘れてしまう、理想です)
ポージーの1歳の誕生日会に家族や親しい友人が集まった。
時間になっても妹のキットカットが現れない。
キットカットは彼氏のジミーとケンカし、酔って車を運転し、事故を起こした。
ティムはタイムトラベルを使い、キットカットが家を出る前に迎えに行った。
キットカットはポージーの誕生会に出席したが、元気がなかった。
メアリーが用意した紫のカップケーキも食べなかった。
ジミーと上手くいっていない。
キットカットの人生をやり直させてあげたい。
ティムはキットカットと一緒にクローゼットに入り、
彼女がジミーと出会った大みそかのパーティーにタイムトラベルした。
ジミーに会わなかったことにしよう。
ジミーはパーティーで別の女の子に声をかけた。
私じゃなくても誰でも良かったのね!と言ってキットカットはジミーを殴った。
キットカットはジェイと恋人同士になった。
これで、キットカットは幸せになれる。
だが、メアリーとポージーの待つ家に戻ると、
娘は知らない男の子になっていた。
(自分の愛する娘が知らない子に代わったらビックリです)
父に尋ねると、子供が生まれる前の過去に戻ると、生まれる子供が別の子になることが分かった。
仕方なく、タイムトラベルを使わないで、現在の妹の人生を幸せにすることを考えた。
メアリーと一緒に病院へ通い、キットカットを根気強く説得した。
ジミーと別れ、お酒は止めて真面目に働くと言ってくれた。
ジェイは昔からキットカットが好きだよ、今度うちで一緒に食事をしようとティムが誘った。
家に帰り、可愛いポージーを見て、ティムはもう一人子供が欲しいと思った。
そして、ティムとメアリーは4人家族になった。
ある日、コンウォールの母から電話があった、父の具合が良くない、癌らしい。
ティムは家族4人でコンウォールへ帰った。
出迎えた母が
『運命の神様に怒り狂っているわ、パパの居ない人生には興味がないの』
と落ちこんでいた。
ティムがパパに会うと、
「タバコが原因らしいが、お前たちが生まれる前には戻れんよ。
ママはわたしの煙草を吸う姿に惚れたんだ。」
ティムは気が付いた。
「前にもこの話した?」
父はタイムトラベルでティムとの会話をやり直していた。
『タイムトラベルは人生がやり直せるわけではないんだ。』
(人生には受け入れなくてはいけないことがある、お父さんはそう言いたかったのかな?)
父が教えてくれた幸せになるコツ
パート1、普通に生きること。毎日を丁寧に。
パート2、毎日を同じようにもう一度繰り返してみよう、前には緊張と不安で気が付かなかった人生の素晴らしさに次は気付ける。
ティムは次は日常を気を付けてみた。
店の女の子に挨拶をし、ありがとうと言って笑顔で買い物をすることができた。
忙しい裁判所での仕事の合間にもロビーの美しさをローリーと一緒に味わうことができた。
父が言ったとおりだった。
ティムは一度目に余裕がなくてうまくいかなかったことは二度目に改善した。
父が亡くなった。
父の葬式が始まる前にティムはタイムトラベルした。
卓球部屋の父は、どこから来た?と聞いた。
「そうか、私の葬式からか、、、あの好きな曲は用意してくれたか?」
ティムは父との会話を楽しんだ。
葬儀を終えて、ロンドンの自宅へ戻ると、
メアリーが3人目の子供が欲しいと言った。
次の子が生まれると、もうタイムトラベルができない、父に会えなくなる。
パパとの永遠の別れになる。。。
3人目が生まれる直前、タイムトラベルで父に会いに行く。
孫が生まれることを父は喜んでくれた、もう、会えなくなるけれど、、、。
(私は、この場面で涙が止まらなかったのです。)
最後に一緒にしたいことは何?と聞くと、「海辺の散歩」と父が答えた。
二人でクローゼットに入り、こぶしを握った。
少年のティムは少し若いパパと一緒に海辺の散歩をして石投げをした。
その後、ティムは父の死を受け入れ、穏やかにすごした。
キットカットもママになった。
ティムは最後のタイムトラベルの秘訣が分かった。
『それは、1日も過去に戻らないこと。』
僕は未来から来て今日を楽しんでいる。
最後だと思って今日を生きる。
つまずいて転んで僕の人生がある。
ここにいる僕が本当の自分。
僕たちは一緒に人生をタイムトラベルしている。
今を精一杯生きよう
素晴らしい日々を一緒にかみしめよう。
(おわり)
アバウトタイム・愛おしい時間について~ 感想も!
【感想】
はじめに、イギリスの美しいコーンウォールの自然豊かな中で暮らす
ティムの家族がとても素敵でした。
次に私が好きだったシーンは、
ティムがメアリーと付き合い始めた時、
毎朝、同じ駅に入って行き、別々のホームの列車で出勤する。
駅にいるバンドメンバーが音楽を奏でながらそれを見守っている。
それは、平凡だけど幸せが伝わってきました。
もう一つは、
ティムがタイムトラベルをして、死んだお父さんと最後の別れをする場面です。
子供が生まれる前にタイムトラベルすると、子供の情報が操作されるのでもう戻れないと二人は知っています。
でもお父さんは孫の誕生を喜んでくれました。
最後の思い出に、二人でティムの少年時代に戻って海辺を散歩しました。
私の涙が込み上げてきたシーンです。
こうやって家族は次の代へ受け継がれていくのですね~
この後、ティムも自分が育った素敵な家族をメアリーと育てていこうと
お父さんの死を受け入れ、未来を向くことになったんだなと感じました。
タイムトラベルのような不思議な能力を持っていたら、やり直したいことばかりです。
もし、私にそんな力があったなら?と考えるだけで楽しいです。
お父さんは、
自分の理想の人生を送るためにこのパワーを使うよう、はじめに教えます。
これは、
この力と付き合ってきたお父さんだからできる助言だったのでしょう。
タイムトラベルで愛は手に入らない、
タイムトラベルで人生は変えられない
ティムもタイムトラベルと付き合いながらそんな気づきを自分で得ていきます。
これはあくまでも、補助的なもの。
この力に甘んじないで自分の軸を持っていないと自分の理想の人生は送れないと身をもって知ります。
メアリーと結婚し、ポージーが生まれて忙しいけど幸せな時、
タイムトラベルの出番はなくなった、とティムは言っています。
妹の人生をやり直すことはタイムトラベルではできなかったから。
現在の妹の人生を変化させる努力が、彼女を幸せに導いたのです。
妻と根気よく妹と向き合ったからこその結果でした。
今の自分が本当の自分。
自分は家族や友人と一緒にタイムトラベルを楽しんでいる。
だから、精一杯今を生きよう、と悟ったティム。
タイムトラベルの力を知ったからこそ導かれた答えだと思いました。
最後は、
忙しそうに子供の面倒をみたり、
仕事へ急ぐティムが生き生きとしてとても楽しそうに見えました。
私も今の自分を生きよう!!
ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました。
※リチャード・カーティス監督の『ラブ・アクチュアリー1&2』の記事も書いています。
よろしければ、こちらからお読みください。
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