映画『イニシェリン島の精霊』
「アイルランドの精霊・バンシーは人の死を予告すると言われています。」
第79回ヴェネチア国際映画祭で脚本賞と最優秀男優賞を受賞。
監督は『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー。
主演はコリン・ファレルが贈るヒューマンドラマ映画。
アイルランドの孤島(イニシェリン島)の景色がとにかく美しい~
島の人々との人間関係にも注目のドラマ映画です。
映画『イニシェリン島の精霊』ネタバレを含むあらすじ、考察と感想を交えながら解説します。
映画『イニシェリン島の精霊』概要
【概要】
製作:2022年
イギリス・アメリカ・アイルランド(合作)
公開:(日本)2023年1月27日
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:マーティン・マクドナー
脚本:マーティン・マクドナー
原作:The Banshees of Inisherin
主演:コリン・ファレル
※『イニシェリン島の精霊』解説と考察の記事を書いています。
よろしければ、こちらからお読みください。
※マーティン・マクドナー監督の前作『スリー・ビルボード』の記事も書いています。
よろしければ、こちらからお読みください。
映画『イニシェリン島の精霊』キャスト
【キャスト】
●コリン・ファレル(パードリック役)
●ブレンダン・グリーソン(コルム役)
●ケリー・コンドン(シボーン役)
●バリー・コーガン(ドミニク役)
※コリン・ファレルとブレンダン・グリーソンはマクドナー監督と『ヒットマンズ・レクイエム』でもタッグを組んだ3人です。
※シボーン役のケリー・コンドンの記事も書いています。
よろしければ、こちらからお読みください。
※ドミニク役のバリー・コーガンの記事も書いています。
よろしければ、こちらからお読みください。
映画『イニシェリン島の精霊』受賞
【受賞】
〈2022年
第79回ベネチア国際映画祭コンペティション〉
において
●脚本賞:マーティン・マクドナー
●ポルピ杯(最優秀男優賞):コリン・ファレル
映画『イニシェリン島の精霊』簡単なあらすじ(後半はネタバレ)
【簡単なあらすじ】
時は1928年
アイルランドの本土では内戦で騒々しくなっています。
舞台はアイルランドの孤島「イニシェリン島」
イニシェリン島は、大変小さな島で、人々が助け合って生きています。
主人公のパードリック(コリン・ファレル)が
長年の友コルム(ブレンダン・グリーソン)から絶交を言い渡されるところから
物語は始まります。
しかし、その理由が分かりません。
パードリックを助ける賢い妹シボーン(ケリー・コンドン)
と個性的なご近所さんドミニク(バリー・キオガン)が間に入りますが、コルムの怒りは険悪になっていきます。
一体何があったのでしょうか?
この島に言い伝えられる「死を伝える精霊」の存在を思い起こさせる
美しい海と空と島。
物語の進行は、、、すぐ下の考察の記事からお読みください。
※『イニシェリン島の精霊』解説と考察の記事を書いています。
映画『イニシェリン島の精霊』見どころ
【見どころ】
- 本作は、2018年の映画『スリー・ビルボード』をおくり出したマーティン・マクドナー監督の作品です。
- 空と海と島、映像がとにかく美しい、ダークコメディも楽しめると良いでしょう。
- なぜ、突然、親友コルムは絶交を言い渡したのか?
主人公(コリン・ファレル)は気の毒な境遇ですが、彼の演技が素晴らしいです。
- 島の住民の人々の人間性も見どころです。特に、シボーンやドミニクに注目です。
『イニシェリン島の精霊』考察と感想(ネタバレ)
【考察】
1)コルムは生きていた!
2)コルムがパードリックを遠ざけたわけ
3)コルムが指を切り落としたわけは
4)シボーンが島を出たわけは?
5)なぜドミニクは死んだの?
6)まとめ:最後に言いたいこと
※解説と考察の記事はこちらに書いています。
下記からお読みください。
イニシェリン島の精霊』映画 海外の反応(ネタバレ注意)
【海外の反応】
10月21日、欧米で公開されました。
評論家の評価は5点中4,5~5が多くみられます。
2022年観た映画の中で一番面白い
という人から、
悲しみの中にいる人は観ないでくださいと言う人も。
特に島や海、空の景色が美しいという感想が多いですね。
コリン・ファレルとブレンダン・グリーソンのパフォーマンスがとても良い。
単純な映画に見えて、そうではない映画。
道徳心、忠誠心、人間の究極の目的と生きる意味を追求した作品。
住民の生活は悲惨、どんどん陰謀に巻き込まれていく、、、。
最後は、観衆全員が唖然とする結末だった。
アイルランド内戦についての絡みもあります。
オスカー獲得間違いなし!という高い評価もちらほら。
(追記11月)
●コルムはパードリックを嫌っているのではなく、自分自身を憎んでいたのではないか?
●かつて愛していた人から突然拒絶されたとき、どれほどの混乱が起きるのかを見せつけられた。
●「お互いが一緒に暮らすことはできない」というのは、
アイルランド内戦の歴史を持ち出し、島全体の紛争を代役として見せたのではないか?
●パードリックとコルムの主人公の他、ドミニクの存在も重要だった。
悲劇的なドミニクの演技も素晴らしい。
彼は、島の人々が思うような愚かな人物ではない。
子供時代のつらい経験によって一風変わっているが、本当は機知に富んだ知的な人物だった。
●パードリックの妹、シボーンの立ち位置がポイント。
彼らには、相手を憎むか思いやるかの選択肢があったが、
シボーンは後者である。
親切で、愛情と感謝を持って生きている女性。
●コルムの二度目の告白の時の演技に引き込まれた。
●パードリックは拷問されるように気の毒な立場に陥るが、観た人はみな彼に共感する。
(追記12月)
●アイルランド西部のロケ地で撮影され、
野性的な自然が素晴らしく、訪れてみたい場所。
●映画全体は素晴らしかった。
始まりから3分の1まで楽しんだ(気さくな冗談もあった)が、
映画はだんだん暗くなり、
最後はパードリックとコルムの両方に嫌悪感を抱いた。
●コルムが指を切り落とすシーンは、音楽家としての未来を捨て
自分を解放したのではないか?
●コルムが指を切り落とすシーンは、脱線したのではないか?
そのシーンとその後の行動にゾッとした。
●大好きな映画
演技・脚本・撮影映像・何層もの深いストーリーが良かった。
●司祭を演じたデヴィッド・ピアースの演技は
短いシーンだが、印象に残った。
●ロバが死んだことにより、平和解決の希望はなくなった。
●妹・シボーンは無意味な暴力に恐怖を覚え、去ることを決めた。
兄(パードリック)にも同様にすすめたが、拒絶されてしまった。
●パードリックの優しい性格が自分を犠牲にした。
結果、怒りを持つようになり自分の人生をダメにした。
●老婦人が重く感じた。
●映画全体は好きだが、
結末には戸惑い、残念、不満だった。
以上、(海外の反応より)
(ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました。)
※主演のコリン・ファレルは
映画『アフター・ヤン』で、心優しい父親を演じました。
よろしければこちらから記事をご覧ください。
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